口を開け閉めしたとき、耳の下あたりで「シャリシャリ」「コリコリ」と音が鳴る。でも痛みはない。だから「まあいいか」と、そのままにしていませんか。
結論からお伝えすると、痛みがなくても放置は禁物です。その音は、顎関節症が始まっているサインかもしれません。

その音、実は顎関節症の初期サイン
顎関節症というと「口が開かない」「激痛が走る」といった重い症状をイメージされる方が多いのですが、実際にはもっと手前の段階から始まっています。
関節や筋肉に負担がかかり始めた初期段階では、痛みよりも先に「音」として現れることが少なくありません。
「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くなる前に気づけている」ととらえるのが正解です。
原因の半分は「食いしばり」

顎関節症の患者さんを診ていると、その約半数に共通しているのが「食いしばり(TCH:上下歯列接触癖)」です。
本来、上下の歯が接触している時間は、1日のうちわずか17分30秒ほどが正常とされています。
それ以上、無意識のうちに歯を接触させ続けている状態は、顎の関節や筋肉にとって「病気」と呼べるほどの負担になります。
- 仕事中、気づくと歯を食いしばっている
- 集中しているときほど、歯に力が入っている
- 寝ている間の歯ぎしりを家族に指摘されたことがある
思い当たる項目があれば、それが顎関節症のサインとつながっている可能性があります。
「マウスピースを入れれば安心」の落とし穴
顎関節症や食いしばり対策として、マウスピースをすすめられた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
歯がすり減るのを防ぐという意味では有効な面もありますが、実はここに見落としがちな落とし穴があります。
マウスピースを装着していると「これがあるから大丈夫」という安心感から、かえって夜間の噛みしめが強くなってしまうケースがあるのです。
結果として、寝ている間じゅう顎の筋肉トレーニングをしているような状態になり、日中の食いしばり(TCH)を悪化させてしまうことも。
マウスピースはあくまで歯を守るための対症療法。根本的な改善には、食いしばる癖そのものに向き合うことが欠かせません。

今日からできる、顎への負担を減らす習慣
食いしばりのクセを直すために大切なのは、「自分が今、歯を接触させている」ことに気づく習慣づくりです。
- 普段と違う色のマニキュアを爪に塗っておき、目に入るたびに「歯を離す」を意識する
- 入浴で体が温まったタイミングで、耳の周りや顎の筋肉をやさしくマッサージする
- パソコン作業中など、集中しがちな場面であえて意識を向ける時間を作る
小さな習慣の積み重ねが、顎関節への負担を確実に減らしていきます。
放置するとどうなる
音だけで済んでいるうちはまだ初期段階。ここで見過ごしてしまうと、次のような段階に進んでしまうことがあります。
- 口の開閉時に痛みが出る
- 大きく口を開けられなくなる
- 歯がすり減る、見えない亀裂(破折)が入る
特に歯の亀裂は肉眼では気づきにくく、進行してから発覚するケースも珍しくありません。
早めのご相談を

顎の音は、体からの小さな警告サインです。「痛くないから」と先送りにせず、気になった今のタイミングでご相談いただくことが、将来の負担を減らす一番の近道になります。
当院では、噛み合わせや食いしばりの状態を丁寧に確認しながら、生活習慣の見直しも含めて一緒に改善方法を考えていきます。ひとりで我慢せず、まずはお気軽にお声がけください。
顎の痛みや違和感でお悩みの方、
まずはご相談ください
「口を開けるたびに音がして不安」
「顎の痛みが長引いていてつらい」
「他院で様子を見てと言われたけど改善しない」
そんなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
上尾市の三井歯科医院では、顎関節症の原因をていねいに探り、
一人ひとりに合った治療をご提案しています。
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著者紹介
三井歯科医院 院長
萩原 寛司
出身大学:明海大学歯学部。
卒業後、口腔外科第一講座に入局、6年間勤務、うち、一年間、埼玉医科大学、麻酔科にて研修。退職後、諸先輩のもとで臨床指導を受けるとともに、インプラント、義歯、歯周治療、歯内治療、矯正、小児矯正、審美歯科等、講習会受講。
平成13年、北上尾に三井歯科開設、現在に至る。

